臨済宗 海岸寺

なかなか和尚様の人柄の個性が強く、お話しをしてみると素敵な体験ができるお寺です。

神社に比べてお寺は、御朱印にはあまり力を入れていませんし、浄土真宗は御朱印をお断りをされます。
また、臨済宗は寺コンなどを開催する吉縁会を主催していますが、吉縁会の会場になったお寺でも、御朱印はあまり積極的ではないようですが、このお寺は違いました。

ただ、私自身故郷の実家近くにあるなじみ深いお寺ですし、重要文化財の山門もあるお寺なので、是非参拝をしたいと思い、APO電をしてみました。
檀家でもありませんし、見る限りお墓もないようなので、普通のお寺だよ、御朱印はいたら書くけれど、といったのらりくらりとした対応にめげずに参拝しました。

…まずは保存樹木の松の見事さや、重要文化財のかやぶきの山門が銅葺に改められずきれいなたたずまいを守っている事に感服し、普段から神仏に願っている事、生きている感謝を本堂と地蔵尊・観音菩薩像に祈りをささげて、寺務所のインターホンを押しました。

和尚様はお時間をかけて丁寧に御朱印を書いてくださった上で、玉川上水の由来や、玉川上水を上流から下流まで歩いた人の話などをされ、私に故郷の地域史を勉強する手がかりを与えてくださいました。
公文式もされているお寺なので、教育意識は高いようです。

禅宗らしく、禅問答のような受け答えもしました。
『この世にいる全ての生き物は輪廻転生を繰り返し、57億年後に弥勒菩薩になってこの世のすべての衆生を救済できる可能性があるから、日々をしっかり修行と思って生きなければなりませんね』
と、意気込む私に、和尚様は、
『弥勒菩薩様はお釈迦様に匹敵するすべてをお救いする存在なので、私はなれそうにありませんし、なりたくありません』
と、なんとも謙虚な返しをなさいます。

お寺では、色々な話を聞けるので、神社で御朱印をもらうよりもお寺で話を聞けて良かった、と感謝を言うと、『今日は私の機嫌がたまたま良かっただけで、他の日は分かりませんよ』との事。
諸行無常というか、物事に偏見を持たず、自分を常に顧みる事を教わった気がします。
訪れたのはちょうど夕方でしたし、いれば御朱印を授けるというお電話から私の風邪でだいぶ時間が経っていましたので、私も少々無礼な来訪者だったかもしれないなと反省した次第です。

最後に、3つ、大事な事が印象に残っています。

1.御朱印はいざという時に自分を守ってくれるお守りではなく、訪れたお寺のご本尊の分身をもらうから、自分自身が守らなければならないものである事。
2.自分自身の考えを伝えられる人はたった一人で良い。一人に伝わればその人がまた考えを伝え、広げてくれる。
3.ここのお寺で話したことは忘れて、寺務所を出た時にいい話をしたなあ、という程度の印象さえ持ってもらえればいい。

こちらの3点についてその通りだと思いますし、私自身も客観的に忠実に参拝した体験をお伝えできているかは、わかりません。
ただ、気になったらこのお寺を訪れて、山門や木々を愛で、ご本尊に手を合わせ、ご迷惑でない範囲で皆様がご住職にお話をされる事をお勧めします。

良い参拝体験をありがとうございました。

創建年代等は不詳。茅葺き屋根の立派な山門は、小金井市指定有形文化財です。駐車場あります。

臨済宗妙心寺派の寺院です。山門がすごくいいですね。

瑞雲山海岸寺。臨済宗妙心寺派の寺院。

御本尊は聖観音菩薩。

茅葺の山門と入り口の対の銀杏が立派。
歩道がないので近寄れず参拝は断念。

参道に一歩足を踏み入れると藁葺き屋根の山門が眼にとまる。懐かしい、オヤジの古里で見た山寺の記憶がよみがえります。
総ヒノキ、茅葺きの山門は、近隣には類例のない貴重な建物です。
このお寺は秩父の三峰山の境内にあった海岸寺を、この地の農民の強い要望で、1736年に引寺され、鈴木新田の渡大工が作ったといいます。
見事な枝ぶりのアカマツの大木、手入れの行き届いた境内にいると清々しい気持になってきます。

境内のひとすみにある菩薩像の裾に寄り添う童子は着物と毛糸の帽子を身に付けて微笑む姿に、自分も微笑んでしまいました。
それにしても、海岸寺という、このお寺の名の由来はどこから来たのでしようか。

赤松が素晴らしい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

小金井公園の通りを隔てたところにある海岸寺は小さいながら立派な門と立派な松の木、味わいのある子育て地蔵などなんとも落ち着くお寺でした!そして、何よりは手入れが行き届いていて素敵でした!知らなかったのが嘘のようでした!