大阿太駅

2023年1月初訪問。
近鉄吉野線のりつぶしの旅。吉野と吉野口くらいは途中下車することにして、あとはサッサと帰るつもりだったのに、想定以上に面白い吉野線。いろんなところで予定外の途中下車を実施。その一つがこの大阿太駅。

もともとまったくノーマークだったこの駅。しかし車窓から大阿太駅を眺めていると駅の周囲に建物が何もない！もしかしてここって秘境駅！？
Googleマップの航空写真やWikipediaでリサーチすると「これほ秘境駅だ！」ということで、秘境駅マニアの自分は迷わず途中下車。30分に一本、列車が来るというのは本当にありがたい。こういう衝動的な途中下車を何の躊躇もなく出来ます。JR北海道ではとてもじゃないけど絶対無理。まああっちの秘境駅度の高さはまたレベルが全然違うのですが。

さて、大阿太駅。率直に「何でこんなところに駅を作ったの？」という感想。昔は集落があったけど今はゴーストタウンになったということでもなさそうです。逆に駅前に集落を作ろうとしたけど失敗してその跡地がソーラーパネル団地になっている始末。

駅舎以外に周辺には建物は一切なく、周辺は例のソーラーパネル団地と未舗装の月極駐車場用地が広がるのみ。むしろ駅舎があるのが異様なほど。しかもこじんまりとした清潔感もある好感の持てる駅舎。こんな秘境駅もかつては有人駅だったということを指し示す証左であるとも言えましょう。

福神側に線路に沿って山道を10分ほど歩くと、この駅の駅勢圏唯一の集落と言えるであろう「大阿太グリーンポリス」という40〜50年くらい前に造成されたような古く小さな住宅団地があります。しかし驚くべきことにこの大阿太グリーンポリスと大阿太駅は、自動車での行き来が出来ないのです！駅からグリーンポリスへの入口となる吉野線の踏切がなんと自動車通行禁止！
昼間はともかく、日暮れ時や夜間に駅から線路沿いの山道を歩くのはちょっと怖いと思います。つまり、車でのお迎えが出来ないのはちょっと致命的につらい。これ、踏切を自動車も通れるようにしたら大阿太グリーンポリス的にもとても便利になるんじゃないかなあと思うんですが。

いずれにせよ、大阿太駅は、大阪都市圏から気軽に訪れることの出来る秘境駅ということで高評価であります。

近鉄吉野線の途中駅です。
駅の周辺は閑散としていて、見える範囲にはあまり人家は多くなく、秘境駅にあげられることもあります。
それでも朝の時間帯に降り立った際には、送迎の車は結構ありました。

特急は通過します。無人化されていますが駅舎はあり、列車交換も可能です。

秘境駅の一つ、梨狩りの最寄り駅
無人駅です。
トイレは汲み取り式でした

駅名は当初存在していた村の名前から。
大阿太村の大部分は五條市だが、村が合併で消滅する少し前に佐名伝(さなて)地区のみ大淀町に編入されて現在に至る。
佐名伝集落のほとんどは駅から離れた吉野川沿いにあり、国道沿いには梨の直販所が点在する。

当駅からほど近い、薬水トンネルすぐのところに宅地用に整理されて電柱が林立している箇所がある。
バブル期に開発したものの頓挫してしまったようで、とても気味悪い光景が放置され20年以上も続いていたが…ソーラーパネル用の土地となったもよう。

どうやら券売機が撤去されたらしい。

典型的な田舎の駅ですが、特急と春のみ運行される快速急行以外の全列車が停まるため本数はわりと多いです。改札はIC対応の簡易改札です。近くには梨畑が広がっており、旬の季節(8月下旬～10月上旬)になるとあちらこちらで梨狩りを楽しむ人や直売所を見受けられます。地元では大阿太の梨はかなり有名だそうなのでこちらに来た方は是非梨畑へ立ち寄ってみてください。

隠れ秘境です。トイレはボットンなので気をつけましょう。

駅前には全く何もない秘境駅

梨狩りの時だけ 少し賑わいます